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function template
<complex>

std::acos(C++11)

namespace std {
  template <class T>
  complex<T> acos(const complex<T>& x);
}

概要

複素数値の逆余弦(アークコサイン:arc cosine)を得る。

戻り値

引数 x の逆余弦。本関数の値域は、虚軸方向は全域で、実軸方向は [0, π] の区間である。

備考

  • 本関数は実軸の区間 [-1, +1] の外側を分岐截断とする。
  • 本関数は、C99 の規格にある cacos(より正確には complex.h ヘッダの cacoscacosfcacosl の 3 つ。それぞれ C++ の acos<double>acos<float>acos<long double> に相当)と同等である。
    C99 では、処理系が ISO IEC 60559(IEEE 754 と同一)に準拠している場合、以下のように規定されている。
    • acos(conj(x)) = conj(acos(x))
    • acos(complex(±0, +0))complex(π/2, -0) を返す。
    • acos(complex(±0, NaN))complex(π/2, NaN) を返す。
    • 有限の x について、acos(complex(x, +∞))complex(π/2, -∞) を返す。
    • 有限で非ゼロの x について、acos(x, NaN)complex(NaN, NaN) を返すとともに、無効演算の浮動小数点例外(FE_INVALID)を引き起こす可能性がある。
    • 有限で正の符号を持つ(+0 を含む)y について、acos(-∞, y)complex(π, -∞) を返す。
    • 有限で正の符号を持つ(+0 を含む)y について、acos(+∞, y)complex(+0, -∞) を返す。
    • acos(-∞, +∞)complex(3π/4, -∞) を返す。
    • acos(+∞, +∞)complex(π/4, -∞) を返す。
    • acos(±∞, NaN)complex(NaN, ±∞) を返す(結果の虚部の符号は未規定)。
    • 有限の y について、acos(NaN, y)complex(NaN, NaN) を返すとともに、無効演算の浮動小数点例外(FE_INVALID)を引き起こす可能性がある。
    • acos(NaN, +∞)complex(NaN, -∞) を返す。
    • acos(NaN, NaN)complex(NaN, NaN) を返す。
  • 処理系が ISO IEC 60559 に準拠しているかどうかは、C99 の場合はマクロ __STDC_IEC_559_COMPLEX__1 に定義されている事で判別可能であるが、C++ の規格書には該当する記載を見つける事ができなかった。
  • 逆余弦の算出については、一部の算術型、および、valarray クラステンプレートに対しても、他のヘッダで定義されている。

    引数の型 関数 ヘッダ 備考
    float acos cmath
    double acos cmath
    long double acos cmath
    任意の整数型 acos cmath C++11 から
    valarray<T> acos valarray

#include <iostream>
#include <complex>

int main()
{
  std::complex<double> c(1.0, 2.0);

  std::complex<double> result = std::acos(c);
  std::cout << "acos( " << c << " ) = " << result << std::endl;
}

出力

acos( (1,2) ) = (1.14372,-1.52857)

実装例

-2.0i * log(sqrt((1.0 + c) / 2.0) + 1.0i * sqrt((1.0 - c) / 2.0));

バージョン

言語

  • C++11

処理系

備考

  • libstdc++ では(規格通りに)C++11 以降のモードでなければ本関数は使用できないが、libc++ では C++98 モードでも使用することができる。(上記の Clang が C++11 モードになっていないのはそのため)
  • libstdc++ では、通常 glibc の対応する関数を呼び出すため、上記の備考に記載した C99 の ISO IEC 60559 準拠要件を満たす。
    しかし、glibc を使用していない libstdc++、および、libc++ は、当該要件を満たしていない(満たすつもりが無い?)ようである。

参照

asin 複素数の逆正弦を求める。
atan 複素数の逆正接を求める。
acosh 複素数の逆双曲線余弦を求める。
asinh 複素数の逆双曲線正弦を求める。
atanh 複素数の逆双曲線正接を求める。
cos 複素数の余弦を求める。
cosh 複素数の双曲線余弦を求める。
exp 自然対数の底 e の累乗(複素数)を求める。
log 複素数の自然対数を求める。
log10 複素数の常用対数を求める。
pow 複素数の累乗を求める。
sin 複素数の正弦を求める。
sinh 複素数の双曲線正弦を求める。
sqrt 複素数の平方根を求める。
tan 複素数の正接を求める。
tanh 複素数の双曲線正接を求める。
acos 実数の逆余弦を求める。