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function template
<complex>

std::log

namespace std {
  template <class T>
  complex<T> log(const complex<T>& x);
}

概要

複素数の自然対数(ネイピア数 e を底とした対数)を得る。log は logarithm(対数)、あるいは、logarithmic function(対数関数)の略。

戻り値

引数 x の自然対数(ネイピア数 e を底とした対数)。本関数の値域は、実軸は全域で、虚軸は [ -iπ,iπ ] の範囲である。 x が負の実数の場合、imag(log(x))π である(ただし、備考参照)。

備考

  • 分岐截断は負の実軸に沿っている。
  • 規格には、上記の戻り値の記載、および、分岐截断以外の規定・説明は無い。
    なお、C99 の規格にある本関数と同等の関数群(complex.h ヘッダの clogclogfcloglの 3 つ。それぞれ C++ の log<double>log<float>log<long double> に相当)では、処理系が ISO IEC 60559(IEEE 754 と同一)に準拠している場合、以下のように規定されている。
    • log(conj(x)) = conj(log(x))
    • log(complex(-0, +0))complex(-∞, +π) を返し、ゼロ除算の浮動小数点例外(FE_DIVBYZERO)を引き起こす。
    • log(complex(+0, +0))complex(-∞, +0) を返し、ゼロ除算の浮動小数点例外(FE_DIVBYZERO)を引き起こす。
    • 有限の x に対して、log(complex(x, +∞))complex(+∞, +π/2) を返す。
    • 有限の x に対して、log(complex(x, NaN))complex(NaN, NaN) を返し、無効演算の浮動小数点例外(FE_INVALID)を引き起こす可能性がある。
    • 有限で正の符号を持つ(+0 を含む)y に対して、log(complex(-∞, y))complex(+0, +π) を返す。
    • 有限で正の符号を持つ(+0 を含む)y に対して、log(complex(+∞, y))complex(+∞, +0) を返す。
    • log(complex(-∞, +∞))complex(+∞, +3π/4) を返す。
    • log(complex(+∞, +∞))complex(+∞, +π/4) を返す。
    • log(complex(±∞, NaN))complex(+∞, NaN) を返す。
    • 有限の y に対して、log(complex(NaN, y))complex(NaN, NaN) を返し、無効演算の浮動小数点例外(FE_INVALID)を引き起こす可能性がある。
    • log(complex(NaN, +∞))complex(+∞, NaN) を返す。
    • log(complex(NaN, NaN))complex(NaN, NaN) を返す。
  • 処理系が ISO IEC 60559 に準拠しているかどうかは、C99 の場合はマクロ __STDC_IEC_559_COMPLEX__1 に定義されている事で判別可能であるが、C++ の規格書には該当する記載を見つける事ができなかった。
  • 規格には、上記の「戻り値」に記載の通り、x が負の実数の場合には戻り値の虚部は π との記載があるが、値域の虚部が を含むことからも分かるように、x の実部が負で虚部が -0 の場合(この場合も x は負の実数と考えられる)には戻り値の虚部は である。なお、C99 の規格にはそのような記載はない。
  • 本関数は数学的には complex(log(abs(x)), arg(x)) と等価である。
  • 自然対数の算出については、一部の算術型、および、valarray クラステンプレートに対しても、他のヘッダで定義されている。

    引数の型 関数 ヘッダ 備考
    float log cmath
    double log cmath
    long double log cmath
    任意の整数型 log cmath C++11 から
    valarray<T> log valarray

#include <iostream>
#include <complex>

int main()
{
  std::complex<double> c(1.0, 2.0);

  std::complex<double> result = std::log(c);
  std::cout << "log( " << c << " ) = " << result << std::endl;
}

出力

log( (1,2) ) = (0.804719,1.10715)

バージョン

言語

  • C++98

処理系

  • Clang: 3.0, 3.1, 3.2, 3.3, 3.4
  • GCC: 4.3.6, 4.4.7, 4.5.4, 4.6.4, 4.7.3, 4.8.1, 4.8.2, 4.9.0
  • ICC: ??
  • Visual C++: ??

備考

  • libstdc++ では、通常 glibc の対応する関数を呼び出すため、上記の備考に記載した C99 の ISO IEC 60559 準拠要件を満たす。
    しかし、glibc を使用していない libstdc++、および、libc++ は、当該要件を満たしていない(満たすつもりが無い?)ようである。

参照

acos 複素数の逆余弦を求める。
asin 複素数の逆正弦を求める。
atan 複素数の逆正接を求める。
acosh 複素数の双曲線逆余弦を求める。
asinh 複素数の双曲線逆正弦を求める。
atanh 複素数の双曲線逆正接を求める。
cos 複素数の余弦を求める。
cosh 複素数の双曲線余弦を求める。
exp 自然対数の底 e の累乗(複素数)を求める。
log10 複素数の常用対数を求める。
pow 複素数の累乗を求める。
sin 複素数の正弦を求める。
sinh 複素数の双曲線正弦を求める。
sqrt 複素数の平方根を求める。
tan 複素数の正接を求める。
tanh 複素数の双曲線正接を求める。
log 実数の自然対数を求める。