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function template
<complex>

std::sinh

namespace std {
  template <class T>
  complex<T> sinh(const complex<T>& x);
}

概要

複素数値の双曲線正弦(ハイパボリックサイン:hyperbolic sine)を得る。

戻り値

引数 x の双曲線正弦。

備考

  • 規格には、上記の戻り値に記載されている以上の規定・説明は無い。
    なお、C99 の規格にある本関数と同等の関数群(complex.h ヘッダの csinhcsinhfcsinhl の 3 つ。それぞれ C++ の sinh<double>sinh<float>sinh<long double> に相当)では、処理系が ISO IEC 60559(IEEE 754 と同一)に準拠している場合、以下のように規定されている。
    • sinh(conj(x)) = conj(sinh(x)) で、また、sinh は奇関数(つまり、sinh(-x) = -sinh(x))。
    • sinh(complex(+0, +0))complex(+0, +0) を返す。
    • sinh(complex(+0, +∞))complex(±0, NaN) を返し(結果の実部の符号は未規定)、無効演算の浮動小数点例外(FE_INVALID)を引き起こす。
    • sinh(complex(+0, NaN))complex(±0, NaN) を返す(結果の実部の符号は未規定)。
    • 有限で正の x に対して、sinh(complex(x, +∞))complex(NaN, NaN) を返し、無効演算の浮動小数点例外(FE_INVALID)を引き起こす。
    • 有限で非ゼロの x に対して、sinh(complex(x, NaN))complex(NaN, NaN) を返し、無効演算の浮動小数点例外(FE_INVALID)を引き起こす可能性がある。
    • sinh(complex(+∞, +0))complex(+∞, +0) を返す。
    • 有限で正の y に対して、sinh(complex(+∞, y))+∞ * complex(cos(y), sin(y)) を返す。
    • sinh(complex(+∞, +∞))complex(±∞, NaN) を返し(結果の実部の符号は未規定)、無効演算の浮動小数点例外(FE_INVALID)を引き起こす。
    • sinh(complex(+∞, NaN))complex(±∞, NaN) を返す(結果の実部の符号は未規定)。
    • sinh(complex(NaN, +0))complex(NaN, +0) を返す。
    • あらゆる非ゼロの y に対して、sinh(complex(NaN, y))complex(NaN, NaN) を返し、無効演算の浮動小数点例外(FE_INVALID)を引き起こす可能性がある。
    • sinh(complex(NaN, NaN))complex(NaN, NaN) を返す。
  • 処理系が ISO IEC 60559 に準拠しているかどうかは、C99 の場合はマクロ __STDC_IEC_559_COMPLEX__1 に定義されている事で判別可能であるが、C++ の規格書には該当する記載を見つける事ができなかった。
  • 双曲線正弦の算出については、一部の算術型、および、valarray クラステンプレートに対しても、他のヘッダで定義されている。

    引数の型 関数 ヘッダ 備考
    float sinh cmath
    double sinh cmath
    long double sinh cmath
    任意の整数型 sinh cmath C++11 から
    valarray<T> sinh valarray

#include <iostream>
#include <complex>

int main()
{
  std::complex<double> c(1.0, 2.0);

  std::complex<double> result = std::sinh(c);
  std::cout << "sinh( " << c << " ) = " << result << std::endl;
}

出力

sinh( (1,2) ) = (-0.489056,1.40312)

バージョン

言語

  • C++98

処理系

  • Clang: 3.0, 3.1, 3.2, 3.3, 3.4
  • GCC: 4.3.6, 4.4.7, 4.5.4, 4.6.4, 4.7.3, 4.8.1, 4.8.2, 4.9.0
  • ICC: ??
  • Visual C++: ??

備考

  • libstdc++ では、通常 glibc の対応する関数を呼び出すため、上記の備考に記載した C99 の ISO IEC 60559 準拠要件を満たす。
    しかし、glibc を使用していない libstdc++、および、libc++ は、当該要件を満たしていない(満たすつもりが無い?)ようである。

参照

acos 複素数の逆余弦を求める。
asin 複素数の逆正弦を求める。
atan 複素数の逆正接を求める。
acosh 複素数の逆双曲線余弦を求める。
asinh 複素数の逆双曲線正弦を求める。
atanh 複素数の逆双曲線正接を求める。
cos 複素数の余弦を求める。
cosh 複素数の双曲線余弦を求める。
exp 自然対数の底 e の累乗(複素数)を求める。
log 複素数の自然対数を求める。
log10 複素数の常用対数を求める。
pow 複素数の累乗を求める。
sin 複素数の正弦を求める。
sqrt 複素数の平方根を求める。
tan 複素数の正接を求める。
tanh 複素数の双曲線正接を求める。
sinh 実数の双曲線正弦を求める。