このページはC++11に採用された言語機能の変更を解説しています。
のちのC++規格でさらに変更される場合があるため関連項目を参照してください。
概要
C99互換として、Pragma演算子が導入された。
Pragma演算子は、マクロ内で処理系定義の機能を使用するための機能である。処理系定義の機能を使用するために、従来はPragmaディレクティブを使用してきたが、その機能はマクロ内では使用できない。
Pragma演算子は、_Pragma(文字列リテラル)
の形式で、処理系定義の機能を文字列リテラルとして引数指定して使用する。
仕様
Pragma演算子は、単項演算子の形式で、以下の構文を持つ:
_Pragma (文字列リテラル)
これは、以下のように処理される:
- 文字列リテラルの
L
プレフィックスを削除する - 前後のダブルクォーテーションを削除する
- エスケープシーケンス
\"
をダブルクォーテーションに置換する - エスケープシーケンス
\\
をバックスラッシュひとつに置換する
処理結果のプリプロセッサトークンのシーケンスは、Pragmaディレクティブに指定した場合と同様に処理される。
例
#include <iostream>
// OpenMPの言語拡張を使用して、for文を並列実行する
# define OMP_PARALLEL_FOR _Pragma("omp parallel for")
// 以下のように、Pragmaディレクティブでは書けない
//#define OMP_PARALLEL_FOR #pragma omp parallel for
int main()
{
constexpr int N = 5;
int a[N] = {1, 2, 3, 4, 5};
int b[N] = {1, 2, 3, 4, 5};
int c[N] = {};
// OMP_PARALLEL_FORは、 _Pragma("omp parallel for") に展開される
OMP_PARALLEL_FOR
for (int i = 0; i < N; ++i) {
c[i] = a[i] + b[i];
}
for (int i = 0; i < N; ++i) {
std::cout << c[i] << std::endl;
}
}
出力
2
4
6
8
10