5. store_add

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function
<atomic>

std::atomic_ref::store_add(C++26)

constexpr void
  store_add(difference_type operand,
            memory_order order = memory_order_seq_cst
            ) const noexcept;                         // (1) C++26

概要

値を読み込まずに加算を行う。

この関数は、fetch_add()と異なり、現在の (古い) 値を読み込むことなく現在の値に演算を行うため、高速に動作する。ただし変更前の古い値は戻り値として取得できない。

事前条件

効果

orderで指定されたメモリオーダーにしたがって、現在の値にoperandを加算した値でアトミックに置き換える

戻り値

なし

例外

投げない

備考

  • この関数は、atomic_refクラスの整数型、浮動小数点数型、ポインタに対する特殊化で定義される
  • 整数型
    • 符号付き整数型に対しては、符号なし整数型に変換されたかのようにしたあと演算が行われ、結果は符号付き整数型になる。未定義動作はない
  • 浮動小数点数型
    • 演算結果が、その型で表現できない値であった場合、結果は未規定値になる。ただしその操作によって未定義動作は起こらない
    • 浮動小数点数型に対する操作はstd::numeric_limits<floating-point>トレイトに準拠する
    • 浮動小数点数型に対するアトミック操作の浮動小数点環境は、呼び出しスレッドの浮動小数点環境とは異なる可能性がある
  • ポインタ型

例

基本的な使い方

#include <print>
#include <atomic>

int main()
{
  int value = 3;

  std::atomic_ref{value}.store_add(2);

  std::println("{}", value);
}

出力

5

並列に加算する例

#include <print>
#include <atomic>
#include <algorithm>
#include <execution>

int main()
{
  int x = 0;
  std::vector<int> v = {1, 2, 3, 4, 5};

  std::for_each(std::execution::par_unseq, v.begin(), v.end(), [&](int n){
    std::atomic_ref{x}.store_add(n);
  });

  std::println("{}", x);
}

出力

15

バージョン

言語

  • C++26

処理系

参照