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function
<atomic>

std::atomic_ref::store_max(C++26)

constexpr void
  store_max(difference_type operand,
            memory_order order = memory_order_seq_cst
            ) const noexcept;                         // (1) C++26

概要

値を読み込まずに最大値を設定する。

この関数は、*thisが参照する値とoperandの大きい方を求め、その値をthisに参照させる。

この関数は、fetch_max()と異なり、現在の (古い) 値を読み込むことなく現在の値に演算を行うため、高速に動作する。ただし変更前の古い値は戻り値として取得できない。

テンプレートパラメータ制約

  • (1) : std::atomic<T*>の場合、型Tがオブジェクト型であること。型Tvoid*や関数ポインタであってはならない

事前条件

効果

orderで指定されたメモリオーダーにしたがって、std::max()アルゴリズムのように*thisが参照する値とoperandの最大値を求めて、その値でアトミックに置き換える

戻り値

なし

例外

投げない

備考

  • この関数は、atomic_refクラスの整数型、浮動小数点数型、ポインタに対する特殊化で定義される
  • 浮動小数点数型
    • std::fmaximum_num()関数と同様の動作をするが、以下の点で異なる:
      • 両方のパラメータがNaNである場合、thisが指す値は未規定のNaN値に置き換えられる
      • 一方のパラメータだけがNaNである場合、thisが指す値はもう一方のパラメータ、または未規定のNaN値に置き換えられるが、どちらに置き換えられるかは未規定
      • パラメータが異なる符号のゼロである場合、thisが指す値がどちらに置き換えられるかは未規定
        • 処理系への推奨としては、負のゼロを正のゼロより小さいものとして扱うべきである
  • ポインタ型
    • ポインタが異なる完全型オブジェクトを指している場合、<演算子による比較は狭義の弱順序を確立しない

#include <iostream>
#include <atomic>

int main()
{
  int value = 2;

  std::atomic_ref{value}.store_max(3);

  std::cout << value << std::endl;
}

出力

3

バージョン

言語

  • C++26

処理系

参照