namespace std::filesystem {
bool copy_file(const path& from, const path& to); // (1)
bool copy_file(const path& from, const path& to, std::error_code& ec); // (2)
bool copy_file(const path& from, const path& to, copy_options options); // (3)
bool copy_file(const path& from, const path& to, copy_options options,
std::error_code& ec); // (4)
}
概要
ファイルをコピーする。
要件
options
は、各グループのオプションが最大ひとつまで設定されていること
効果
- (1) :
return copy_file(from, to, copy_options::none);
- (2) :
return copy_file(from, to, copy_options::none, ec);
- (3) :
- 以下のいずれか場合にエラーとなる:
!is_regular_file(from)
(コピー元のファイルが存在しない)exists(to) && !is_regular_file(to)
(コピー先に、通常ファイルではないファイルが存在している)exists(to) && equivalent(from, to)
(コピー先にファイルが存在しており、それがコピー元と等価)exists(to) && (options & (copy_optons::skip_existing | copy_optons::overwrite_existing | copy_optons::update_existing)) == copy_optons::none
(コピー先にファイルが存在しており、その場合にエラーにならないオプションが指定されていない)
- 以下の条件のいずれかに合致する場合、パス
from
が解決したファイルを、パスto
が解決した先にコピーする!exists(to)
(options & copy_options::overwrite_existing) != copy_options::none
(options & copy_options::update_existing) != copy_options::none
、かつパスfrom
のファイルが、パスto
のファイルよりも最終更新日時が新しい
- そうでない場合、なにもしない
- 以下のいずれか場合にエラーとなる:
- (4) : (3)でエラーが発生した場合に、
false
を返し、エラー情報をec
に設定する
戻り値
ファイルのコピーが行われたらtrue
、そうでなければfalse
が返る。
(2)と(4)でエラーが発生した場合もfalse
が返る。
計算量
直接的もしくは間接的なstatus(to)
の呼び出しは、最大で一回
例外
- (1), (3) : ファイルシステムがエラーを報告する場合がある。エラーが発生した場合は、
std::filesystem::filesystem_error
例外を送出する - (2), (4) : OSがファイルコピーの直接のAPIを定義していない場合、この関数の実装として動的なバッファを確保する可能性がある。その際、メモリ確保で例外が発生する可能性がある
例
#include <cassert>
#include <filesystem>
#include <fstream>
namespace fs = std::filesystem;
int main()
{
std::ofstream{"regular.txt"};
// ファイル"regular.txt"を、"copy.txt"にコピーする
fs::copy_file("regular.txt", "copy.txt");
assert(fs::exists("regular.txt"));
assert(fs::exists("copy.txt"));
// 同じパスではなく、シンボリックリンク/ハードリンクでもないので、等価ではない
assert(!fs::equivalent("regular.txt", "copy.txt"));
}
出力
バージョン
言語
- C++17
処理系
- Clang: 7.0 ✅
- GCC: 8.1 ✅
- Visual C++: