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function template
<map>

std::map::insert_range(C++23)

template <container-compatible-range<value_type> R>
void insert_range(R&& rg); // C++23

概要

Rangerg の要素を挿入することにより、map コンテナを拡張する。

これは、挿入された要素の数だけコンテナの size() を増やす。

map コンテナは重複したキーを持つ要素を許さないため、挿入操作はそれぞれの要素が他のコンテナ内の既存要素と同じキーかどうかをチェックする。もし同じであれば要素は挿入されない。

重複した値を許す、類似したコンテナについては multimap を参照。

内部的に map コンテナは、コンストラクト時に指定された比較オブジェクトによって要素を下位から上位へとソートして保持する。

事前条件

*this の要素の範囲と Rangerg の要素の範囲が重複していないこと

テンプレートパラメータ制約

value_type は、コンテナに対して EmplaceConstructible であること

戻り値

なし

計算量

N = ranges::distance(rg) とすると、N log (size() + N) に比例

備考

  • 関数が呼ばれた後も、当該コンテナ内の要素を指す参照やイテレータは無効にはならない。
    なお、規格書に明確な記載は無いが、当該コンテナ内の要素を指すポインタも無効にはならない。

#include <iostream>
#include <map>
#include <utility>
#include <vector>

int main ()
{
    std::map<char, int> m = {{'A', 10}, {'B', 11}};

    std::vector<std::pair<char,int>> v = {{'B', 11}, {'C', 12}};
    m.insert_range(v);

    for (const auto& kv : m) {
        std::cout << kv.first << " " << kv.second << std::endl;
    }

    return 0;
}

出力

A 10
B 11
C 12

関連項目

名前 説明
map::insert 要素を挿入する
map::insert_or_assign 要素を挿入、あるいは代入する