namespace std::ranges {
inline namespace /*unspecified*/ {
inline constexpr /*unspecified*/ end = /*unspecified*/;
}
}
概要
Rangeから最後尾要素の次を指すイテレータもしくは番兵を取得する関数オブジェクト。
効果
部分式E
の型をT
、t
をE
を評価した値とする。
このとき、式ranges::begin(E)
の効果は以下の通り。
E
がrvalueかつenable_borrowed_range<remove_cv_t<T>>
がfalse
であれば、呼び出しは不適格。T
が配列型であれば、t +extent_v<T>
に等しい(expression‑equivalent)。ただし、要素数不明の配列か、remove_all_extents_t<T>
が不完全型であれば、呼び出しは不適格(診断不要)。decay-copy(t.end())
が有効な式でその型がsentinel_for<iterator_t<T>>
のモデルであれば、decay-copy(t.end())
と等しい。T
がクラス型または列挙体であって、end
がADLで見つかり、decay-copy(end(t))
が有効な式でその型がsentinel_for<iterator_t<T>>
のモデルであれば、decay-copy(end(t))
と等しい。
どれにも当てはまらないとき、呼び出しは不適格。
戻り値
最後尾要素の次を指すイテレータもしくは番兵。
カスタマイゼーションポイント
3か4の条件を満たすようにする。例えば、ユーザー定義のフリー関数end
を定義するか、ユーザー定義のクラスにメンバ関数end
を持たせることでカスタマイズできる。
備考
ranges::end(E)
が有効な式であるとき、ranges::end(E)
の型S
、ranges::begin(E)
の型I
はsentinel_for<S, I>
のモデルである。
例
#include <iostream>
#include <vector>
#include <ranges>
#include <algorithm>
void print(int x)
{
std::cout << x << " ";
}
int main()
{
// コンテナ
{
std::vector<int> v = {1, 2, 3};
decltype(v)::iterator first = std::ranges::begin(v);
decltype(v)::iterator last = std::ranges::end(v);
std::for_each(first, last, print);
}
std::cout << std::endl;
// 組み込み配列
{
int ar[] = {4, 5, 6};
int* first = std::ranges::begin(ar);
int* last = std::ranges::end(ar);
std::for_each(first, last, print);
}
}
出力
1 2 3
4 5 6
バージョン
言語
- C++20
処理系
- Clang: 13.0.0 ✅
- GCC: 10.1.0 ✅
- ICC: ?
- Visual C++: 2019 Update 10 ✅