pair<iterator, iterator>
equal_range(const key_type& x); // (1) C++11
pair<const_iterator, const_iterator>
equal_range(const key_type& x) const; // (2) C++11
template <class K>
pair<iterator, iterator>
equal_range(const K& k); // (3) C++20
template <class K>
pair<const_iterator, const_iterator>
equal_range(const K& k) const; // (4) C++20
概要
コンテナ内の、指定されたキーと等しい全てのキー要素を含む範囲の境界を返す。unordered_map
コンテナではキーの重複は無いため、この範囲は最大一つの要素を含む。
もし指定されたキーがコンテナ内のどのキーともマッチしなかった場合、戻り値の範囲は長さ 0 になり、両方のイテレータは end
を指す。
- (1) : 非
const
なthis
に対してキーx
を検索し、合致する全ての要素を含む範囲を取得する - (2) :
const
なthis
に対してキーx
を検索し、合致する全ての要素を含む範囲を取得する - (3) : 非
const
なthis
に対してキーk
を透過的に検索し、合致する全ての要素を含む範囲を取得する - (4) :
const
なthis
に対してキーk
を透過的に検索し、合致する全ての要素を含む範囲を取得する
(3)、(4)の透過的な検索は、Pred::is_transparent
およびHash::is_transparent
が定義される場合に有効になる機能であり、例としてunordered_map<string, int> m;
に対してm.equal_range("key");
のようにstring
型のキーを持つ連想コンテナの検索インタフェースに文字列リテラルを渡した際、string
の一時オブジェクトが作られないようにできる。詳細はstd::hash
クラスのページを参照。
パラメータ
x
: 比較されるキー値。key_type
はメンバ型であり、unordered_map
コンテナ内でKey
の別名として定義される。ここでKey
は最初のテンプレートパラメータである。k
: 検索するキー。key_type
と透過的に比較可能な型K
型のキーである。
テンプレートパラメータ制約
- (3), (4) :
Pred::is_transparent
型およびHash::is_transparent
型が定義されていること
戻り値
合致する要素の範囲を表す pair
オブジェクトを返す。pair::first
は 範囲の下境界にあたり、pair::second
は 範囲の上境界にあたる。
そのような要素がない場合には、make_pair(end(), end())
を返す。
iterator
はメンバ型であり unordered_map
において双方向イテレータとして定義される。
計算量
- 平均: 定数時間
- 最悪:
size
について線形時間
備考
unordered_set
の場合には、等価なキーはたかだか1つであるため、find()
ほど有用ではないと考えられる
例
#include <iostream>
#include <unordered_map>
int main()
{
std::unordered_map<int,char> um;
um.insert(std::make_pair(1,'a'));
um.insert(std::make_pair(2,'b'));
um.insert(std::make_pair(3,'c'));
um.insert(std::make_pair(4,'d'));
um.insert(std::make_pair(5,'e'));
using it_t = std::unordered_map<int,char>::iterator;
std::pair<it_t, it_t> ret = um.equal_range(3);
std::cout << "low: " << ret.first->first << " " << ret.first->second << std::endl;
std::cout << "up: " << ret.second->first << " " << ret.second->second << std::endl;
std::pair<it_t, it_t> ret2 = um.equal_range(0);
std::cout << "low:" << ( ret2.first == um.end() ) << std::endl;
std::cout << "up:" << ( ret2.second == um.end() ) << std::endl;
return 0;
}
出力
low: 3 c
up: 4 d
low:1
up:1
バージョン
言語
- C++11
処理系
- Clang: ??
- GCC: ??
- ICC: ??
- Visual C++: 2012 ✅
関連項目
名前 | 説明 |
---|---|
count |
指定したキーにマッチする要素の数を返す |
find |
指定したキーで要素を探す |