std::unordered_map::operator[](C++11)

T& operator[](const key_type& x); // (1) C++11

T& operator[](key_type&& x);      // (2) C++11

template <class K>
T& operator[](K&& k);             // (3) C++26

概要

要素へのアクセス。

• (1), (2) : クラスのテンプレートパラメータkey_type型のキーに対応する要素を取得する
• (3) : key_typeと比較可能なK型のキーに対応する要素を取得する

テンプレートパラメータ制約

• (3) : key_compare::is_transparent が妥当な式であること

戻り値

キーxに対応する値を返す。対応する要素が存在しない場合は、要素を値初期化して参照を返す。

例外

ハッシュ関数以外から例外が投げられた場合には、対応する要素がない場合の新規要素の挿入処理は実施されない。

計算量

• 平均： 定数時間
• 最悪： size について線形時間

備考

• (3) :
  • is_transparentは、標準ライブラリのstd::less、std::greaterといった関数オブジェクトの、voidに対する特殊化で定義される。それ以外のテンプレートパラメータでis_transparentが定義されないのは、互換性のためである。
  • これらのオーバーロードは、map<string, int>のようなコンテナに対し、検索操作で文字列リテラルを渡した際に、キー型の一時オブジェクトが生成されるコストを減らすためにある。

例

#include <iostream>
#include <unordered_map>

template<class Container, class T>
void at_wrap(Container &c, T v) {

  std::cout << "{" << c[v] << "}" << std::endl;
}

int main()
{
  std::unordered_map<int, char> um;
  um.insert(std::make_pair(1,'a'));

  std::cout << "size=" << um.size() << std::endl;

  at_wrap(um, 1);
  at_wrap(um, 2);

  std::cout << "size=" << um.size() << std::endl;

  return 0;
}

出力

size=1
{a}
{}
size=2

バージョン

言語

• C++11

処理系

• Clang: ??
• GCC: ??
• ICC: ??
• Visual C++: 2012 ✅

関連項目

参照

• P2363R5 Extending associative containers with the remaining heterogeneous overloads
  • C++26でtemplate <class K>のバージョンが追加された