6. run

最終更新日時(UTC):
が更新

履歴 編集

function
<execution>

std::execution::run_loop::run(C++26)

void run();

概要

run_loopのFIFOキュー上にある作業を逐次実行する。

run_loop動作説明のため、説明専用のメンバ関数pop-front, push-backを導入する。 finishおよびpop-front, push-backは不可分(atomically)に実行される。

説明専用メンバ関数 pop-front

run-loop-opstate-base* pop-front();

効果 : 下記条件のいずれか一つがtrueになるまでブロックする。

  • count == 0かつstateが終了中(finishing)のとき、pop-frontはstateを終了済み(finished)に設定してnullptrを返す。
  • count > 0のとき、countを1減算してFIFOキューから先頭要素を削除し、同要素（ポインタ値）を返す。

説明専用メンバ関数 push-back

void push-back(run-loop-opstate-base* item);

効果 : FIFOキューの末尾にitemを追加してcountを1加算する。

同期操作 : この操作は同itemを取得するpop-front操作に対して同期する。

事前条件

説明専用メンバstateは開始(starting)もしくは終了中(finishing)であること。

効果

説明専用メンバstateが開始(starting)の場合、実行中(running)に変更する。 そうでなければ、stateを変更しない。

続いて、以下と等価 :

while (auto* op = pop-front()) {
  op->execute();
}

同期操作

runとデストラクタ以外のメンバ関数同時呼び出しは、データ競合を引き起こさない。

例

#include <print>
#include <thread>
#include <execution>
namespace ex = std::execution;

int main()
{
  ex::run_loop loop;
  std::println("starting");

  std::jthread jt([&]{
    // 2) 別スレッドからfinishを呼び出し
    std::println("finishing");
    loop.finish();
  });

  // 1) メインスレッド上でrunを呼び出すとブロッキングする
  loop.run();
  // 3) ブロッキング解除されてメインスレッドを再開
  std::println("finished");
}

出力

starting
finishing
finished

バージョン

言語

  • C++26

処理系

関連項目

参照