std::flat_multiset::find

iterator find(const key_type& x);             // (1) C++23

template <class K>
iterator find(const K& x);                    // (2) C++23

const_iterator find(const key_type& x) const; // (3) C++23

template <class K>
const_iterator find(const K& x) const;        // (4) C++23

概要

xと等価なキーの要素を検索する。

(1), (3) : クラスのテンプレートパラメータkey_type型のキーを受け取って検索する。
(2), (4) : key_typeと比較可能なK型のキーを受け取って検索する。

テンプレートパラメータ制約

(2), (4) : key_compare::is_transparentが妥当な式であること

戻り値

(1), (3) : xと等価なキーの要素が見つかった場合は、見つかった要素へのイテレータを返す。そうでない場合は、 end() を返す。
(2), (4) : key_compare型の関数オブジェクトをc、コンテナ内の各要素が持つキーをkとして、キーが等価か判定する式!c(k, x) && !c(x, k)がtrueとなる要素へのイテレータを返す。そのような要素がない場合は、end() を返す。等価となる要素が複数ある場合、そのうちのいずれかの要素へのイテレータを返す。

計算量

size() について対数時間。

備考

(2), (4) :
- is_transparentは、標準ライブラリのstd::less、std::greaterといった関数オブジェクトの、voidに対する特殊化で定義される。それ以外のテンプレートパラメータでis_transparentが定義されないのは、互換性のためである。
- これらのオーバーロードは、flat_multiset<string>のようなコンテナに対し、検索操作で文字列リテラルを渡した際に、キー型の一時オブジェクトが生成されるコストを減らすためにある。

例

#include <flat_set>
#include <iostream>
#include <string>

int main()
{
  // (1)
  {
    std::flat_multiset<std::string> fs = {"Alice", "Bob", "Carol"};

    decltype(fs)::iterator it = fs.find("Bob");
    if (it != fs.end()) { // 見つかった
      std::cout << *it << std::endl;
    }
  }

  // (2)
  {
    std::flat_multiset<std::string, std::less<>> fs = {"Alice", "Bob", "Carol"};

    // std::lessのvoidに対する特殊化を使用することで、
    // 文字列リテラルをfind()関数の引数として渡した際に、
    // std::string型の一時オブジェクトが生成されない。
    decltype(fs)::iterator it = fs.find("Bob");
    if (it != fs.end()) { // 見つかった
      std::cout << *it << std::endl;
    }
  }
}

    std::flat_multiset<std::string, std::less<>> fs = {"Alice", "Bob", "Carol"};
 
#include <flat_set>
#include <iostream>
#include <string>
​
int main()
{
  // (1)
  {
    std::flat_multiset<std::string> fs = {"Alice", "Bob", "Carol"};
​
    decltype(fs)::iterator it = fs.find("Bob");
    if (it != fs.end()) { // 見つかった
      std::cout << *it << std::endl;
    }
  }
​
  // (2)
  {

出力

Bob
Bob

std::flat_multiset::find

概要

テンプレートパラメータ制約

戻り値

計算量

備考

例

出力

バージョン

言語

処理系

関連項目