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concept
<ranges>

std::ranges::view(C++20)

namespace std::ranges {
  template<class T>
  concept view = range<T> && movable<T> && enable_view<T>;
}

概要

viewは、ビューを表すコンセプトである。viewの要件は意味論要件がメインなので、enable_viewを特殊化して有効にしない限りviewとはならない。

viewの例:

  • イテレータペアをラップするRange
  • 要素をshared_ptrで持っていて、Rangeのコピーをすると要素の所有権を共有するようなRange
  • 要素を必要に応じて生成するRange

モデル

Tviewのモデルとなるのは、以下の条件をすべて満たす場合である。

  1. TのムーブコンストラクタがO(1)
  2. Tのムーブ代入は、Tのデストラクタとムーブコンストラクタを連続で実行する場合より複雑にならない
  3. M 個の要素を持つT型のオブジェクトから N 個のT型オブジェクトをムーブやコピーで作ったとき、それら N 個のT型オブジェクトは O(N + M) で破棄できる
  4. copy_constructible<T>false、またはTのコピーコンストラクタがO(1)
  5. copyable<T>false、またはTのコピー代入はTのデストラクタとコピーコンストラクタを連続で実行する場合より複雑にならない

viewborrowed_rangeには直接の包含関係はないが、要素を所有していると一般にこれらの要件は満たせないため、borrowed_rangeでもある場合が多い。

備考

viewを自作する場合、view_interfaceを基底クラスにすると便利である。

#include <ranges>
#include <string_view>
#include <span>
#include <vector>

int main()
{
  // vectorはviewではない
  static_assert(!std::ranges::view<std::vector<int>>);

  // string_viewview
  static_assert(std::ranges::view<std::string_view>);

  // spanはview
  static_assert(std::ranges::view<std::span<int>>);
}

出力

バージョン

言語

  • C++20

処理系

参照