namespace std {
template <class T>
struct is_trivially_move_constructible;
template <class T>
inline constexpr bool is_trivially_move_constructible_v
= is_trivially_move_constructible<T>::value; // C++17
}
概要
型T
がトリビアルにムーブ構築可能か調べる。
要件
型T
は完全型であるか、const
/volatile
修飾された(あるいはされていない)void
か、要素数不明の配列型でなければならない。
効果
is_trivially_move_constructible
は、型T
がトリビアルにムーブ構築可能であるならばtrue_type
から派生し、そうでなければfalse_type
から派生する。
以下の条件がtrue
である場合に、トリビアルにムーブ構築可能であると見なされる:
- C++11 :
is_trivially_constructible<T, T&&>::value == true
- C++14 : 参照可能な型
T
に対しては、is_trivially_constructible<T, T&&>::value == true
と同じ結果となり、それ以外はfalse
と見なされる。- 参照可能な型とは、以下のいずれかの条件に合致する型である:
- オブジェクト型
- CV修飾されていない、もしくは参照修飾されていない関数型
- 参照修飾されている型
- 参照可能な型とは、以下のいずれかの条件に合致する型である:
例
#include <type_traits>
#include <string>
struct X {
// トリビアルなムーブコンストラクタを持っている
};
struct Y {
// 非トリビアルなムーブコンストラクタを持っている
Y(Y&&) {}
};
struct Z {
// 非トリビアルなムーブコンストラクタを持つ型を包含している
std::string s;
// Z型は非トリビアルなムーブコンストラクタを持つ
};
// 組み込み型は全てトリビアルにムーブ構築可能
static_assert(
std::is_trivially_move_constructible<int>::value == true,
"int is trivially move constructible");
// トリビアルなムーブコンストラクタを持っている型
static_assert(
std::is_trivially_move_constructible<X>::value == true,
"X is trivially move constructible");
// 非トリビアルなムーブコンストラクタを持っている型
static_assert(
std::is_trivially_move_constructible<Y>::value == false,
"Y isn't trivially move constructible");
// 非トリビアルなムーブコンストラクタを持つ型を包含する型
static_assert(
std::is_trivially_move_constructible<Z>::value == false,
"Z isn't trivially move constructible");
int main() {}
出力
バージョン
言語
- C++11
処理系
- Clang: 3.3 ✅
- GCC: 5.0 ✅
- Visual C++: 2012 ✅, 2013 ✅, 2015 ✅
備考
Clang 3.0から3.2は、上記例のY
クラスがトリビアルにムーブ構築可能と判定される。Clang 3.3から修正されている。
参照
- LWG Issue 2196. Specification of
is_*[copy/move]_[constructible/assignable]
unclear for non-referencable types- C++11では、この型特性が参照型に対してどのような振る舞いになるのか不明確であったため、C++14で明確化された。
- P0006R0 Adopt Type Traits Variable Templates from Library Fundamentals TS for C++17