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class template
<type_traits>

std::type_identity(C++20)

namespace std {
  template <class T>
  struct type_identity {
    using type = T;
  };

  template <class T>
  using type_identity_t = typename type_identity<T>::type;
}

概要

受け取った型をそのまま返す。

このクラステンプレートは、テンプレートパラメータTをそのままメンバ型typeとして定義する。

これは、関数テンプレートおよびクラステンプレートでの意図しない型推論を無効化し、ユーザーに明示的に型指定させるために使用できる。

備考

  • これと同等のクラステンプレートは、C++11向けにもstd::identityクラスとして、std::forward()関数の実装のために予定されていたが、その際はほかの方法でも関数テンプレートの推論を無効化できたため、採用されなかった。しかし、このクラステンプレートは意図しない型推論を無効化するために便利であるとして、C++20であらためて採用することとなった

基本的な使い方

#include <type_traits>

int main()
{
  static_assert(std::is_same_v<
    std::type_identity<int>::type,
    int
  >);

  // CV修飾および参照も、そのまま返る
  static_assert(std::is_same_v<
    std::type_identity_t<const int&>,
    const int&
  >);
}

出力

型推論の無効化(1)

#include <type_traits>

template <class T>
void f([[maybe_unused]] std::type_identity_t<T> x) {}

template <class T>
struct X {
  explicit X(std::type_identity_t<T>) {}
};

int main()
{
  // f(3);   // コンパイルエラー : テンプレートパラメータTを推論できない
  f<int>(3); // OK : 型推論を無効化し、明示的にテンプレートパラメータを指定させる

  //X{3};    // コンパイルエラー : テンプレートパラメータTを推論できない
  X<int>{3}; // OK
}

型推論の無効化(2)

#include <iostream>
#include <type_traits>

template <typename T>
void h1(T a, T b)
{
  std::cout << a << ' ' << b << std::endl;
}

template <typename T>
void h2(T a, std::type_identity_t<T> b)
{
  std::cout << a << ' ' << b << std::endl;
}

int main()
{
#if 0
  // Tの型推論がintとdoubleで曖昧となるためコンパイルエラー
  h1(100, 3.14);
#endif

  // 第1引数(int)からのみTの型推論を行う
  // 第2引数はdouble→intに変換される(3.14→3)
  h2(100, 3.14);
}

出力

100 3

バージョン

言語

  • C++20

処理系

参照