void wait(T old,
memory_order order = memory_order::seq_cst
) const volatile noexcept; // (1) C++20
void wait(T old,
memory_order order = memory_order::seq_cst
) const noexcept; // (2) C++20
概要
起床されるまで待機する。
この関数は、ブロッキング同期を行うための機能であり、ビジーループによるポーリングよりもエネルギー消費が低く効率的な待機を実現できる。アトミック操作版のstd::condition_variable
であると言える。
この関数によってブロッキング待機をしたら、対応する起床関数であるnotify_one()
、notify_all()
によってブロッキング待機を解除できる。
テンプレートパラメータ制約
- (1) :
- C++20 :
atomic<T>::is_always_lock_free
がtrue
であること
- C++20 :
効果
- 以下のステップを順に繰り返し実行する:
load(order)
によって現在の値を読み込み、old
と値を比較する- 現在の値と
old
が等しくなければ、関数をreturn
する - アトミック起床操作が呼ばれてアンロックされるまで、この関数の実行をブロックする
- ただし、起床操作が呼ばれていなくても、アンロックされる場合がある (spuriously unblock)
戻り値
なし
例外
投げない
備考
- Windowsでは
WaitOnAddress()
関数、POSIXではfutex()
関数が実装に使われる
例
#include <iostream>
#include <atomic>
#include <thread>
class my_mutex {
std::atomic<bool> state_{false}; // false:unlock, true:lock
public:
void lock() noexcept {
while (state_.exchange(true) == true) {
state_.wait(true);
}
}
void unlock() noexcept {
state_.store(false);
state_.notify_one();
}
};
my_mutex mut;
void print(int x) {
mut.lock();
std::cout << x << std::endl;
mut.unlock();
}
int main()
{
std::thread t1 {[] {
for (int i = 0; i < 5; ++i) {
print(i);
}
}};
std::thread t2 {[] {
for (int i = 5; i < 10; ++i) {
print(i);
}
}};
t1.join();
t2.join();
}
出力例
0
5
1
6
2
7
3
8
4
9
バージョン
言語
- C++20
処理系
- Clang: 9.0 ❌
- GCC: 9.2 ❌
- Visual C++: 2019 Update 3 ❌