namespace std {
template <class T>
complex<T> conj(const complex<T>& x); // (1) C++03
template <class T>
constexpr complex<T> conj(const complex<T>& x); // (1) C++20
std::complex<Promoted> conj(Arithmetic x); // (2) C++11 追加のオーバーロード
}
概要
共役複素数を得る。conj は conjugate(共役)の略。
なお、C++11 で追加されたオーバーロードは、以下のように規定されている。
- 実引数の型が
long double
の場合、complex<long double>
にキャストされているかのように振る舞う。 - そうでなくて、実引数の型が
double
か整数型の場合、complex<double>
にキャストされているかのように振る舞う。 - そうでなくて、実引数の型が
float
の場合、complex<float>
にキャストされているかのように振る舞う。
また、これらの追加のオーバーロードが関数テンプレートなのか否か、あるいは、引数が参照型なのか否かなどについては、規格では何も言及されていない。
戻り値
引数 x
の共役複素数
例
#include <iostream>
#include <complex>
int main()
{
std::complex<double> c(1.0, 2.0);
std::complex<double> result = std::conj(c);
std::cout << "conj( " << c << " ) = " << result << std::endl;
}
出力
conj( (1,2) ) = (1,-2)
バージョン
言語
- C++98(追加のオーバーロードは C++11 から)
処理系
- Clang: 3.0, 3.1, 3.2, 3.3, 3.4(追加のオーバーロード含む)
- GCC: 4.3.6, 4.4.7, 4.5.4, 4.6.4, 4.7.3, 4.8.1, 4.8.2, 4.9.0(追加のオーバーロード以外)
- GCC: 4.3.6, 4.4.7, 4.5.4, 4.6.4, 4.7.3, 4.8.1, 4.8.2, 4.9.0(追加のオーバーロード含む)
- ICC: ??
- Visual C++: ??
関連項目
名前 | 説明 |
---|---|
real |
複素数の実部を得る。 |
imag |
複素数の虚部を得る。 |
abs |
複素数の絶対値を得る。 |
arg |
複素数の偏角を得る。 |
norm |
複素数体のノルムを得る。 |
proj |
リーマン球面への射影を得る。 |
polar |
指定した絶対値と偏角の複素数値を得る。 |