void lock();
概要
ロックを取得する
要件
この関数を呼び出したスレッドが、ミューテックスの所有権を保持していないこと
効果
この関数を呼び出したスレッドがミューテックスの所有権を取得できるまでブロックする
戻り値
なし
例外
この関数は、以下のerror conditionを持つsystem_error
例外オブジェクトを送出する可能性がある:
operation_not_permitted
: スレッドにこの操作を行う権限がないresource_deadlock_would_occur
: デッドロックが発生することを検出した(実装依存)- C++14まで :
device_or_resource_busy
: ミューテックスがすでにロックされていて、ブロッキングできない
例
#include <iostream>
#include <thread>
#include <mutex>
class X {
std::timed_mutex mtx_;
int value_ = 0;
public:
// メンバ変数value_への書き込みを排他的にする
void add_value(int value)
{
mtx_.lock(); // ロックを取得する
value_ = value;
mtx_.unlock(); // ロックを手放す
}
};
int main()
{
X x;
std::thread t1([&x]{ x.add_value(1); });
std::thread t2([&x]{ x.add_value(2); });
t1.join();
t2.join();
}
出力
バージョン
言語
- C++11
処理系
- Clang: ??
- GCC: 4.7.0 ✅
- ICC: ??
- Visual C++: 2012 ✅, 2013 ✅, 2015 ✅
参照
- LWG Issue 2309.
mutex::lock()
should not throwdevice_or_resource_busy
- C++17以降、この関数から
device_or_resource_busy
が送出される可能性がなくなった。デッドロックが検出できればbusyではなくresource_deadlock_would_occur
が送出されるべき。busyの検出はmutex
クラスではなくcondition_variable::wait()
で行うこと
- C++17以降、この関数から