std::extreme_value_distribution(C++11)

namespace std {
  template <class RealType = double>
  class extreme_value_distribution;
}

概要

extreme_value_distributionは、連続確率分布の一種である極値分布を表すクラスである。
以下の確率密度関数に基いて、浮動小数点数の値を生成する：

$$ p(x \mid a, b) = \frac{1}{b} \cdot \exp \left( \frac{a-x}{b} - \exp \left( \frac{a-x}{b} \right) \right) $$

この数式においてaは位置パラメータ(location parameter)、bは尺度パラメータ(scale parameter)である。

極値分布は、以下のような用途に使用できる：

N年後の最高気温予測
競馬での順位(払戻金)予想

テンプレートパラメータは、以下を意味する：

RealType : 生成する実数の型。

メンバ関数

構築・リセット

名前	説明	対応バージョン
`(constructor)`	コンストラクタ	C++11
`~extreme_value_distribution() = default;`	デストラクタ	C++11
`reset`	状態をリセットする	C++11

生成

名前	説明	対応バージョン
`operator()`	乱数を生成する	C++11

プロパティ

名前	説明	対応バージョン
`a`	位置パラメータを取得する	C++11
`b`	尺度パラメータを取得する	C++11
`param`	分布のパラメータを取得／設定する	C++11
`min`	生成し得る値の下限を取得する	C++11
`max`	生成し得る値の上限を取得する	C++11

メンバ型

型	説明	対応バージョン
`result_type`	乱数生成結果の実数型 `RealType`。	C++11
`param_type`	分布パラメータの型。未規定。	C++11

非メンバ関数

名前	説明	対応バージョン
`operator==`	等値比較	C++11
`operator!=`	非等値比較	C++11
`operator<<`	ストリームへの出力	C++11
`operator>>`	ストリームからの入力	C++11

例

#include <random>
#include <fstream>

int main()
{
  std::random_device seed_gen;
  std::default_random_engine engine(seed_gen());

  // 位置パラメータ0.0、尺度パラメータ1.0で分布させる
  std::extreme_value_distribution<> dist(0.0, 1.0);

  std::ofstream file("extreme_value_distribution.tsv");
  for (std::size_t n = 0; n < 1000; ++n) {
    // 極値分布で乱数を生成する
    double result = dist(engine);

    file << result << "\t\n";
  }
}

出力

このプログラムによってある時に得られた結果（extreme_value_distribution.tsv）を図示する。