namespace std {
template <class RealType = double>
class lognormal_distribution;
}
概要
lognormal_distribution
は、乱数を対数正規分布させるクラスである。
対数正規分布はその名のとおり、正規分布に対数を付けたものである。以下の確率密度関数に基いて、浮動小数点数の乱数を生成する:
$$ p(x \mid m, s) = \frac{1}{sx \sqrt{2 \pi} } \cdot \exp \left( - \frac{(\ln x - m)^2}{2s^2} \right) $$
この確率密度関数において、mは平均(mean)、sは標準偏差(standard deviation)を表す。
対数正規分布は、以下のような用途に使用できる:
- 株価
- 社員の給与アップ(スタートは同じでも、給与が上がる人数は減少していく)
テンプレートパラメータは、以下を意味する:
RealType
: 生成する実数の型。
メンバ関数
構築・リセット
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
(constructor) |
コンストラクタ | C++11 |
~lognormal_distribution() = default; |
デストラクタ | C++11 |
reset |
状態をリセットする | C++11 |
生成
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
operator() |
乱数を生成する | C++11 |
プロパティ
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
m |
分布の平均値を取得する | C++11 |
s |
分布の標準偏差を取得する | C++11 |
param |
分布のパラメータを取得/設定する | C++11 |
min |
生成し得る値の下限を取得する | C++11 |
max |
生成し得る値の上限を取得する | C++11 |
メンバ型
型 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
result_type |
乱数生成結果の実数型 RealType 。 |
C++11 |
param_type |
分布パラメータの型。未規定。 | C++11 |
非メンバ関数
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
operator== |
等値比較 | C++11 |
operator!= |
非等値比較 | C++11 |
operator<< |
ストリームへの出力 | C++11 |
operator>> |
ストリームからの入力 | C++11 |
例
#include <random>
#include <fstream>
int main()
{
std::random_device seed_gen;
std::default_random_engine engine(seed_gen());
// 平均3.141592、標準偏差1.0で分布させる
std::lognormal_distribution<> dist(3.141592, 1.0);
std::ofstream file("lognormal_distribution.tsv");
for (std::size_t n = 0; n < 256; ++n) {
// 対数正規分布で乱数を生成する
double result = dist(engine);
file << result << "\n";
}
}
出力
このプログラムによってある時に得られた結果(lognormal_distribution.tsv)を図示する。
バージョン
言語
- C++11
処理系
- Clang:
- GCC: 4.6.1 ✅
- ICC:
- Visual C++: