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function
<shared_mutex>

std::shared_lock::コンストラクタ(C++14)

shared_lock() noexcept;                                           // (1)
explicit shared_lock(mutex_type& m);                              // (2)

shared_lock(mutex_type& m, defer_lock_t) noexcept;                // (3)
shared_lock(mutex_type& m, try_to_lock_t);                        // (4)
shared_lock(mutex_type& m, adopt_lock_t);                         // (5)

template <class Clock, class Duration>
shared_lock(mutex_type& m,
            const chrono::time_point<Clock, Duration>& abs_time); // (6)

template <class Rep, class Period>
shared_lock(mutex_type& m,
            const chrono::duration<Rep, Period>& rel_time);       // (7)

shared_lock(const shared_lock&) = delete;                         // (8)
shared_lock(shared_lock&& u) noexcept;                            // (9)

概要

  • (1) : デフォルトコンストラクタ
  • (2) : 共有ミューテックスオブジェクトを受け取るコンストラクタ。共有ロックを取得する。
  • (3) : 共有ミューテックスオブジェクトを受け取り、その場では共有ロックを取得しない。
  • (4) : 共有ミューテックスオブジェクトを受け取り、共有ロックの取得を試みる。
  • (5) : 共有ロック取得済みの共有ミューテックスを受け取る。
  • (6) : 共有ミューテックスオブジェクトを受け取り、指定された絶対時間をタイムアウト時間として、共有ロックの取得を試みる。
  • (7) : 共有ミューテックスオブジェクトを受け取り、指定された相対時間をタイムアウト時間として、共有ロックの取得を試みる。
  • (8) : コピーコンストラクタ。コピー不可。
  • (9) : ムーブコンストラクタ。共有ミューテックスの所有権を移動する。

効果

  • (1) : 空のshared_lockオブジェクトを構築する。共有ミューテックスオブジェクトへのポインタを保持しない。
  • (2) : 共有ミューテックスオブジェクトへの参照を受け取り、m.lock_shared()を呼び出す。共有ミューテックスオブジェクトへのポインタを保持する。
  • (3) : 共有ミューテックスオブジェクトへの参照を受け取り、共有ロックの取得操作をここでは呼び出さない。共有ミューテックスオブジェクトへのポインタを保持する。
  • (4) : 共有ミューテックスオブジェクトへの参照を受け取り、m.try_lock_shared()を呼び出す。共有ミューテックスオブジェクトへのポインタを保持する。
  • (5) : 共有ロック取得済みの共有ミューテックスオブジェクトへの参照を受け取り、共有ロックの取得操作を呼び出さない。共有ミューテックスオブジェクトへのポインタを保持する。
  • (6) : 共有ミューテックスオブジェクトへの参照を受け取り、m.try_lock_until_shared(abs_time)を呼び出す。共有ミューテックスオブジェクトへのポインタを保持する。
  • (7) : 共有ミューテックスオブジェクトへの参照を受け取り、m.try_lock_for_shared(rel_time)を呼び出す。共有ミューテックスオブジェクトへのポインタを保持する。
  • (9) : ムーブコンストラクタ。shared_lockオブジェクトuが保持している共有ミューテックスの所有権を、自分のオブジェクトに移動する。共有ミューテックスオブジェクトへのポインタおよびowns_lock()の状態をuから移動する。

事後条件

#include <shared_mutex>
#include <chrono>
#include <utility> // move

int main()
{
  std::shared_timed_mutex mtx;
  {
    // (1) : デフォルト構築
    // ミューテックスを参照しない
    std::shared_lock<std::shared_timed_mutex> lk;
  }
  {
    // (2)
    // ミューテックスへの参照を受け取る
    // 内部でmtx.lock()を呼び出す
    std::shared_lock<std::shared_timed_mutex> lk(mtx);
  }
  {
    // (3)
    // コンストラクタ時点では共有ロック取得せず、あとから取得する
    std::shared_lock<std::shared_timed_mutex> lk(mtx, std::defer_lock);
    lk.lock();
  }
  {
    // (4)
    // コンストラクタ内でmtx.try_lock_shared()を呼び出す
    std::shared_lock<std::shared_timed_mutex> lk(mtx, std::try_to_lock);
  }
  {
    // (5)
    // 共有ロックを取得済みのミューテックスを受け取り、
    // コンストラクタでは共有ロックを取得しない
    mtx.lock_shared(); // 事前に共有ロックを取得する
    std::shared_lock<std::shared_timed_mutex> lk(mtx, std::adopt_lock);
  }
  {
    namespace chrono = std::chrono;

    chrono::steady_clock::time_point tp = chrono::steady_clock::now() + chrono::seconds(3);

    // (6)
    // コンストラクタ内でmtx.try_lock_until_shared(tp)を呼び出す
    std::shared_lock<std::shared_timed_mutex> lk(mtx, tp);
  }
  {
    std::chrono::seconds d(3);

    // (7)
    // コンストラクタ内でmtx.try_lock_for_shared(d)を呼び出す
    std::shared_lock<std::shared_timed_mutex> lk(mtx, d);
  }
  {
    std::shared_lock<std::shared_timed_mutex> lk1(mtx);

    // (9)
    // lk1からミューテックスの所有権を移動する
    std::shared_lock<std::shared_timed_mutex> lk2 = std::move(lk1);
  }
}

出力

バージョン

言語

  • C++14

処理系