template <class Rep, class Period>
bool try_lock_shared_for(const chrono::duration<Rep, Period>& rel_time);
概要
タイムアウトする相対時間を指定して共有ロックの取得を試みる。
要件
この関数を呼び出したスレッドが、ミューテックスの排他所有権と共有所有権のいずれもを保持していないこと。
効果
rel_time
パラメータで指定された相対時間の間、ミューテックスの共有所有権の取得を試みる。
共有所有権が取得できるまで、もしくはrel_time
時間が経過するまでこの関数はブロッキングする。
rel_time
がrel_time.zero()
より小さい場合、この関数はtry_lock()
と同じ効果をもち、ブロッキングせずにミューテックスの共有所有権の取得を試みる。
戻り値
共有所有権が取得できた場合はtrue
を返す。
rel_time
パラメータで指定された相対時間の間に共有所有権が取得できなかった場合はタイムアウトとなり、false
を返す。
例外
時計クラス、time_point
クラス、duration
クラスの構築が例外を送出する場合、この関数はそれらの例外を送出する。
例
#include <thread>
#include <shared_mutex>
class X {
mutable std::shared_timed_mutex mtx_;
int value_ = 0;
public:
// メンバ変数value_への書き込みを排他的にする
void add_value(int value)
{
mtx_.lock(); // 排他ロックを取得する
value_ = value;
mtx_.unlock(); // 排他ロックを手放す
}
// メンバ変数value_の値を読み込む
int get_value() const
{
int result = 0;
// 共有ロックの取得を試みる(3秒でタイムアウト)
if (!mtx_.try_lock_shared_for(std::chrono::seconds(3))) {
// 共有ロックの取得に失敗
std::error_code ec(static_cast<int>(std::errc::device_or_resource_busy), std::generic_category());
throw std::system_error(ec);
}
result = value_;
mtx_.unlock_shared(); // 共有ロックを手放す
return result;
}
};
int main()
{
X x;
std::thread t1([&x]{ x.add_value(1); int value = x.get_value(); });
std::thread t2([&x]{ x.add_value(2); int value = x.get_value(); });
t1.join();
t2.join();
}
出力
バージョン
言語
- C++14
処理系
- Clang: 3.5 ✅
- GCC: 4.9 ✅
- ICC: ??
- Visual C++: 2015 ✅