template <class Lock>
void wait(Lock& lock); // (1)
template <class Lock, class Predicate>
void wait(Lock& lock, Predicate pred); // (2)
template<class Lock, class Predicate>
bool wait(Lock& lock,
stop_token stoken,
Predicate pred); // (3) C++20 から
概要
起床されるまで待機する。
この関数は、処理をするための準備ができたことをnotify_one()
/notify_all()
によって通知されるまでスレッドを待機するために使用する。
述語を指定しない場合、notify_one()
/notify_all()
が呼び出された時点でこの関数のブロッキングが解除される。
述語を指定する場合、述語呼び出しがtrue
になるまで待機を続行する。
効果
-
(1) :
- アトミックに
lock.unlock()
する notify_one()
/notify_all()
もしくはそれ以外の理由で通知があるまでブロッキングする- この関数を抜ける際に
lock.lock()
する - この関数が例外送出によって終了する場合、関数を抜ける前に
lock.lock()
する
- アトミックに
-
(2) : 以下と等価の処理を行う
while (!pred()) {
wait(lock);
}
- (3) : このメンバ関数呼び出しの間だけ
stoken
に対する停止要求によって*this
へ通知が行われるよう登録し、以下と等価の処理を行う
while (!stoken.stop_requested()) {
if (pred())
return true;
wait(lock);
}
return pred();
事後条件
lock
が参照しているミューテックスオブジェクトが、この関数を呼び出したスレッドでロック取得されていること
戻り値
- (1),(2) : なし
- (3) : 停止要求の有無によらず、
pred()
の結果が返る。
例外
- (1) :
- (2) :
備考
- C++14 : 事後条件を満たさない場合、
std::terminate()
関数を呼び出して、プログラムを異常終了させる。これは、ミューテックスの再ロック取得が例外を送出した場合に発生する。
例
#include <iostream>
#include <condition_variable>
#include <mutex>
#include <thread>
struct ProcessData {
std::recursive_mutex mtx_;
std::condition_variable_any cond_;
bool data_ready_ = false;
public:
// 処理に必要なデータの準備をする
void prepare_data_for_processing()
{
// ...準備処理...
{
std::lock_guard<std::recursive_mutex> lk(mtx_);
data_ready_ = true;
}
// 準備完了したので待機スレッドを全て起床させる
cond_.notify_all();
}
void wait_for_data_to_process1()
{
std::unique_lock<std::recursive_mutex> lk(mtx_);
// データの準備ができるまで待機してから処理する
while (!data_ready_) {
// 述語を指定しないバージョン
cond_.wait(lk);
}
process_data();
}
void wait_for_data_to_process2()
{
std::unique_lock<std::recursive_mutex> lk(mtx_);
// データの準備ができるまで待機してから処理する
// 述語を指定するバージョン
cond_.wait(lk, [this] { return data_ready_; });
process_data();
}
private:
void process_data()
{
// ...データを処理する...
std::cout << "process data" << std::endl;
}
};
int main()
{
ProcessData p;
std::thread t1([&] { p.prepare_data_for_processing(); });
std::thread t2([&] { p.wait_for_data_to_process1(); });
std::thread t3([&] { p.wait_for_data_to_process2(); });
t1.join();
t2.join();
t3.join();
}
出力
process data
process data
バージョン
言語
- C++11
処理系
- Clang: ??
- GCC: 4.7.0 ✅
- ICC: ??
- Visual C++: 2012 ✅, 2013 ✅