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class
<set>

std::multiset

namespace std {
  template <class Key, class Compare = less<Key>, class Allocator = allocator<Key>>
  class multiset;
}

multiset は連想コンテナの一種であり、要素自身がキーとなる。

連想コンテナは特にそれらキーによる要素アクセスが効率的になるよう設計されたコンテナである(要素への相対位置または絶対位置によるアクセスが効率的であるシーケンシャルコンテナとは異なる)。

内部的には、multiset 内の要素は、コンテナの構築時に設定された狭義の弱順序基準に従って小さいものから大きいものへとソートされる。

setが重複キーを許可しないのに対し、multisetは重複キーを許可する。

setとは違い、find()メンバ関数は、キーに合致した最初の要素へのイテレータを返し、count()メンバ関数はキーに合致する要素数を返す。

このコンテナクラスは、双方向イテレータをサポートする。

各テンプレートパラメータは以下のような意味である。

  • Key: キーの型。このコンテナに格納されれる要素の型。multiset に格納される要素はそれぞれはキーでもある。
  • Compare: 比較クラス。このクラスは 2 つの引数(同じ型であり、コンテナの要素型でもある)をとり bool 値を返す。狭義の弱順序において ab よりも前の場所に位置づけられる場合に true である。これはクラスが関数呼び出しオブジェクトを実装したクラスであっても良いし関数ポインタであっても良い(例は コンストラクタ を参照)。これは、operator<() を適用( a < b )したときと同じ値を返す less<Key> がデフォルトである。
  • Allocator: ストレージアロケーションモデルを決定づける、アロケータオブジェクトの型である。デフォルトでは、Key への allocator クラステンプレート(これは値に依存しないシンプルなメモリ確保モデルを定義する)が使われる。

メンバ関数

構築・破棄

名前 説明 対応バージョン
(constructor) コンストラクタ
(destructor) デストラクタ
operator= 代入演算子
get_allocator アロケータオブジェクトを取得する

イテレータ

名前 説明 対応バージョン
begin 先頭を指すイテレータを取得する
cbegin 先頭を指す読み取り専用イテレータを取得する C++11
end 末尾を指すイテレータを取得する
cend 末尾を指す読み取り専用イテレータを取得する C++11
rbegin 末尾を指す逆イテレータを取得する
crbegin 末尾を指す読み取り専用逆イテレータを取得する C++11
rend 先頭を指す逆イテレータを取得する
crend 先頭を指す読み取り専用逆イテレータを取得する C++11

領域

名前 説明 対応バージョン
empty コンテナが空であるかどうかを調べる
size 要素数を取得する
max_size 格納可能な最大の要素数を取得する

コンテナの変更

名前 説明 対応バージョン
clear 全ての要素を削除する
insert 要素を挿入する
emplace 要素を直接構築する C++11
emplace_hint ヒントを使って要素を直接構築する C++11
erase 要素を削除する
swap コンテンツを交換する

要素アクセス

名前 説明 対応バージョン
count 指定したキーにマッチする要素の数を返す
find 指定したキーで要素を探す
equal_range 指定したキーにマッチする要素範囲を返す
lower_bound 与えられた値より小さくない最初の要素へのイテレータを返す
upper_bound 特定の値よりも大きい最初の要素へのイテレータを返す

オブザーバー

名前 説明 対応バージョン
key_comp キーを比較した結果を返す
value_comp 値を比較した結果を返す

メンバ型

名前 説明 対応バージョン
key_type キーの型。テンプレートパラメータ Key
value_type 要素の型。テンプレートパラメータ Key
key_compare キーの大小関係を判定する二項述語の型。テンプレートパラメータ Compare
value_compare 要素の大小関係を判定する二項述語の型。テンプレートパラメータ Compare
allocator_type アロケータの型。テンプレートパラメータ Allocator
reference 要素value_typeへの参照型。value_type&
const_reference 要素value_typeへのconst参照型。const value_type&
iterator 双方向イテレータ
const_iterator 読み取り専用双方向イテレータ。
size_type 要素数を表す符号なし整数型。difference_type で表現可能な非負整数(0以上の整数)を表すことが可能。(通常は size_t)
difference_type 同一のコンテナを指す iterator の差を表す符号付き整数型(通常は ptrdiff_t)
std::iterator_traits<iterator>::difference_type、および、std::iterator_traits<const_iterator>::difference_type と同じ。
pointer 要素 value_typeへのポインタ。
C++03 : typename Allocator::pointer
C++11以降 : typename allocator_traits<Allocator>::pointer
const pointer 要素 value_typeへのconstポインタ。
C++03 : typename Allocator::const_pointer
C++11以降 : typename allocator_traits<Allocator>::const_pointer
reverse_iterator 逆順双方向イテレータ。std::reverse_iterator<iterator>
const_reverse_iterator 読み取り専用逆順双方向イテレータ。std::reverse_iterator<const_iterator>

非メンバ関数

名前 説明 対応バージョン
operator== 左辺と右辺が等しいかの判定を行う
operator!= 左辺と右辺が等しくないかの判定を行う
operator< 左辺が右辺より小さいかの判定を行う
operator<= 左辺が右辺より小さいか等しいかの判定を行う
operator> 左辺が右辺より大きいかの判定を行う
operator>= 左辺が右辺より大きいか等しいかの判定を行う
swap 2つのsetオブジェクトを入れ替える

#include <iostream>
#include <set>

int main()
{
  // intをキーとして扱う集合
  std::multiset<int> s;

  // 挿入
  s.insert(3);
  s.insert(1);
  s.insert(4);
  s.insert(1); // キーを重複させることが可能

  // キー1に該当する要素数を取得する
  std::size_t count = s.count(1);

  // 検索 : キー(int)を指定し、対応する値を得る
  decltype(s)::iterator it = s.find(1);
  if (it != s.end()) {
    // 発見した
    // 同じキーの要素を全て列挙する
    for (std::size_t i = 0; i < count; ++i) {
      int value = *it;
      std::cout << value << std::endl;
      ++it;
    }
  }
  else {
    std::cout << "not found" << std::endl;
  }
}

出力

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