[[nodiscard]] arrival_token arrive(ptrdiff_t update = 1);
概要
バリアのフェーズ同期ポイントへの到達通知を行い、待機処理用の到達トークンを発行する。 設定されていれば、次フェーズへの移行前に完了関数を呼び出す。
事前条件
update > 0
かつ update
が現行バリアフェーズの予定カウントに等しいかそれより小さいこと。
効果
現行フェーズのフェーズ同期ポイントに関連付けされたarrival_token
型オブジェクトを構築する。
その後に、予定カウントをupdate
だけ減算する。
戻り値
構築されたarrival_token
オブジェクトを返す。
例外
この関数は、以下のerror conditionを持つsystem_error
例外オブジェクトを送出する可能性がある:
resource_unavailable_try_again
: 操作対象のネイティブハンドル型が無効operation_not_permitted
: スレッドにこの操作を行う権限がないinvalid_argument
: 実引数が無効
備考
このメンバ関数呼び出しは、現行フェーズの完了ステップを開始する可能性がある。
例
#include <barrier>
#include <chrono>
#include <iostream>
#include <thread>
#include <utility>
// (ダミーの)タスク処理関数
void do_task(const char* msg)
{
static std::mutex cout_mtx;
std::this_thread::sleep_for(std::chrono::seconds(1));
{
std::lock_guard lk{cout_mtx};
std::cout << msg << std::endl;
}
}
int main()
{
std::barrier<> sync{2};
// ワーカスレッド起動
std::thread t([&]{
do_task("sub: phase-1");
// 自スレッドはブロックせずに第2フェーズに移行し、
// 第1フェーズ同期ポイント待機用トークンを発行する。
auto token = sync.arrive();
do_task("sub: phase-2(a)");
// 第1のフェーズ同期ポイントで待機する。
sync.wait(std::move(token));
do_task("sub: phase-2(b)");
});
// メインスレッド処理
{
do_task("main: phase-1(a)");
do_task("main: phase-1(b)");
sync.arrive_and_wait();
do_task("main: phase-2");
}
t.join();
}
出力例
main: phase-1(a)
sub: phase-1
main: phase-1(b)
sub: phase-2(a)
sub: phase-2(b)
main: phase-2
バージョン
言語
- C++20
処理系
- Clang: 11.0 ✅
- GCC: ??
- ICC: ??
- Visual C++: ??