最終更新日時(UTC):
が更新

履歴 編集

function template
<complex>

std::cos

namespace std {
  template <class T>
  complex<T>
    cos(const complex<T>& x); // (1) C++03
  template <class T>
  constexpr complex<T>
    cos(const complex<T>& x); // (1) C++26
}

概要

複素数値の余弦(コサイン:cosine)を得る。

戻り値

引数 x の余弦。

備考

  • 規格には、上記の戻り値に記載されている以上の規定・説明は無い。
    なお、C99 の規格にある本関数と等価の関数群(complex.h ヘッダの ccosccosfccosl の 3 つ。それぞれ C++ の cos<double>cos<float>cos<long double> に相当)では、処理系が ISO IEC 60559(IEEE 754 と同一)に準拠している場合、cos(x) = cosh(i x) であると規定されている(i は虚数単位)。
  • 処理系が ISO IEC 60559 に準拠しているかどうかは、C99 の場合はマクロ __STDC_IEC_559_COMPLEX__1 に定義されている事で判別可能であるが、C++ の規格書には該当する記載を見つける事ができなかった。
  • 余弦の算出については、一部の算術型、および、valarray クラステンプレートに対しても、他のヘッダで定義されている。

    引数の型 関数 ヘッダ 備考
    float cos cmath
    double cos cmath
    long double cos cmath
    任意の整数型 cos cmath C++11 から
    valarray<T> cos valarray

#include <iostream>
#include <complex>

int main()
{
  std::complex<double> c(1.0, 2.0);

  std::complex<double> result = std::cos(c);
  std::cout << "cos( " << c << " ) = " << result << std::endl;
}

出力

cos( (1,2) ) = (2.03272,-3.0519)

バージョン

言語

  • C++98

処理系

  • Clang: 3.0 , 3.1 , 3.2 , 3.3 , 3.4
  • GCC: 4.3.6 , 4.4.7 , 4.5.4 , 4.6.4 , 4.7.3 , 4.8.1 , 4.8.2 , 4.9.0
  • ICC: ??
  • Visual C++: ??

関連項目

名前 説明
acos 複素数の逆余弦を求める。
asin 複素数の逆正弦を求める。
atan 複素数の逆正接を求める。
acosh 複素数の逆双曲線余弦を求める。
asinh 複素数の逆双曲線正弦を求める。
atanh 複素数の逆双曲線正接を求める。
cosh 複素数の双曲線余弦を求める。
exp 自然対数の底 e の累乗(複素数)を求める。
log 複素数の自然対数を求める。
log10 複素数の常用対数を求める。
pow 複素数の累乗を求める。
sin 複素数の正弦を求める。
sinh 複素数の双曲線正弦を求める。
sqrt 複素数の平方根を求める。
tan 複素数の正接を求める。
tanh 複素数の双曲線正接を求める。
cos 実数の余弦を求める。

参照