namespace std {
template <class T>
complex<T>
log10(const complex<T>& x); // (1) C++03
template <class T>
constexpr complex<T>
log10(const complex<T>& x); // (1) C++26
}
概要
複素数の常用対数(10 を底とした対数)を得る。log は logarithm(対数)、あるいは、logarithmic function(対数関数)の略。
戻り値
引数 x
の常用対数(10 を底とした対数)。log(x) / log(10)
で定義される。
備考
- 分岐截断は負の実軸に沿っている。
- C99 の規格(および C11 の規格)では、本関数と等価と思われる関数名群
clog10
、clog10f
、clog10l
が future library directions として予約されているが、これらの関数の挙動については(名前から明らかであるものの)一切記載はない。 -
常用対数の算出については、一部の算術型、および、
valarray
クラステンプレートに対しても、他のヘッダで定義されている。引数の型 関数 ヘッダ 備考 float
log10
cmath
double
log10
cmath
long double
log10
cmath
任意の整数型 log10
cmath
C++11 から valarray<T>
log10
valarray
例
#include <iostream>
#include <complex>
int main()
{
std::complex<double> c(1.0, 2.0);
std::complex<double> result = std::log10(c);
std::cout << "log10( " << c << " ) = " << result << std::endl;
}
出力
log10( (1,2) ) = (0.349485,0.480829)
バージョン
言語
- C++98
処理系
- Clang: 3.0 ✅, 3.1 ✅, 3.2 ✅, 3.3 ✅, 3.4 ✅
- GCC: 4.3.6 ✅, 4.4.7 ✅, 4.5.4 ✅, 4.6.4 ✅, 4.7.3 ✅, 4.8.1 ✅, 4.8.2 ✅, 4.9.0 ✅
- ICC: ??
- Visual C++: ??
関連項目
名前 | 説明 |
---|---|
acos |
複素数の逆余弦を求める。 |
asin |
複素数の逆正弦を求める。 |
atan |
複素数の逆正接を求める。 |
acosh |
複素数の双曲線逆余弦を求める。 |
asinh |
複素数の双曲線逆正弦を求める。 |
atanh |
複素数の双曲線逆正接を求める。 |
cos |
複素数の余弦を求める。 |
cosh |
複素数の双曲線余弦を求める。 |
exp |
自然対数の底 e の累乗(複素数)を求める。 |
log |
複素数の自然対数を求める。 |
pow |
複素数の累乗を求める。 |
sin |
複素数の正弦を求める。 |
sinh |
複素数の双曲線正弦を求める。 |
sqrt |
複素数の平方根を求める。 |
tan |
複素数の正接を求める。 |
tanh |
複素数の双曲線正接を求める。 |
log10 |
実数の常用対数を求める。 |
参照
- P1383R2 More constexpr for
<cmath>
and<complex>
- C++26で
constexpr
対応した
- C++26で