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    class template
    <streambuf>

    std::basic_streambuf

    namespace std {
      template<class CharT, class Traits = char_traits<CharT>>
      class basic_streambuf { …… };
    
      using streambuf  = basic_streambuf<char>;
      using wstreambuf = basic_streambuf<wchar_t>;
    }
    

    概要

    basic_streambufは、ストリームバッファを表現するクラスである。 入力ストリーム・出力ストリームに対して、実際の入出力機能を提供する。

    テンプレートパラメータとして文字型を受け取るようになっており、使用を容易にするため、以下のパラメータ設定済みエイリアスが定義されている。 このエイリアスは<streambuf>ヘッダと<iosfwd>ヘッダで定義されている。

    エイリアス 説明 対応バージョン
    streambuf char型。ASCII、UTF-8等のマルチバイト文字列や、バイナリデータとして使用する。
    wstreambuf wchar_t型。ワイド文字列として使用する。

    ストリームバッファについて

    basic_streambufはストリームバッファを取り扱うクラステンプレートである。 ストリームバッファは入力列と出力列からなる。

    入力列と出力列それぞれについて、basic_streambufから直接アクセスできる部分は全体の一部分のみである(もちろん、全体がそこに収まっている場合もある)。 その直接アクセスできる部分列はCharTの配列として表現され、先頭・現在位置・終端の3つのポインタで指し示す。 ただし、先頭・現在位置・終端のポインタがすべてnullptrである状態もありえる。

    basic_streambufに対するすべての入出力処理は、この3つ組のポインタに対する処理や列全体と部分列の対応を変更する処理として実現されている。

    たとえばbasic_filebufでは、ファイルの内容を列全体と見なし、basic_filebuf内でバッファリングしている部分が先頭・現在位置・終端の3つのポインタで指し示されるという構成になる。

    メンバ

    • publicな関数: 主にbasic_streambufを利用する側に対するもの。
    • protectedな関数: basic_streambufの派生クラスを作る側に対するもの。
    • protected virtualな関数: basic_streambufの派生クラスを作る際に必要に応じてオーバーライドするもの。

    名前 説明 対応バージョン
    char_type テンプレート仮引数CharT
    int_type Traits::int_type
    pos_type Traits::pos_type
    off_type Traits::off_type
    traits_type テンプレート仮引数Traits

    構築・破棄

    名前 説明 対応バージョン
    (constructor) コンストラクタ (protected)
    (destructor) デストラクタ (virtual)
    operator= コピー代入 (protected) C++11
    swap 値の交換 (protected) C++11

    ロケール

    名前 説明 対応バージョン
    getloc 現在のロケールを返す。
    pubimbue ロケールを設定する。
    imbue ロケールを設定する (protected virtual)。

    バッファとポジショニング

    名前 説明 対応バージョン
    pubsetbuf バッファ領域を与える。
    pubseekoff 相対位置指定での移動。
    pubseekpos 絶対位置指定での移動。
    pubsync 出力列の同期。
    setbuf バッファ領域を与える (protected virtual)。
    seekoff 相対位置指定での移動 (protected virtual)。
    seekpos 絶対位置指定での移動 (protected virtual)。
    sync 出力列の同期 (protected virtual)。

    入力

    名前 説明 対応バージョン
    in_avail 現在の入力列の読み取り可能な文字数を返す。
    snextc 入力列の1文字を捨てて、次の文字を読み取る。
    sbumpc 入力列の現在位置の文字を読み取り、現在位置を1文字進める。
    uflow 入力部分列の領域を消費し切った際の処理 (protected virtual)。
    sgetc 入力列の現在位置の文字を読み取る。
    underflow 入力部分列の領域を消費し切った際の処理 (protected virtual)。
    sgetn 入力列から複数文字を読み取る。
    xsgetn 入力列から複数文字を読み取る (protected virtual)。
    showmanyc ブロックせずに読み取れると期待される文字数を得る (protected virtual)。

    入力の読み戻し

    名前 説明 対応バージョン
    sputbackc 任意の1文字を入力列に戻す。
    sungetc 直前に読み取った1文字を入力列に戻す。
    pbackfail 1文字を入力列に戻す (protected virtual)。

    入力部分列の操作

    名前 説明 対応バージョン
    eback 入力部分列の先頭へのポインタを返す (protected)。
    gptr 入力部分列の現在位置へのポインタを返す (protected)。
    egptr 入力部分列の終端へのポインタを返す (protected)。
    gbump 入力部分列の現在位置を指定した量だけ進める (protected)。
    setg 入力部分列の各ポインタを設定する (protected)。

    出力

    名前 説明 対応バージョン
    sputc 出力列に1文字書き込む。
    overflow 出力部分列の領域を消費し切った際の処理 (protected virtual)。
    sputn 出力列に複数文字を書き込む。
    xsputn 出力列に複数文字を書き込む (protected virtual)。

    出力部分列の操作

    名前 説明 対応バージョン
    pbase 出力部分列の先頭へのポインタを返す (protected)。
    pptr 出力部分列の現在位置へのポインタを返す (protected)。
    epptr 出力部分列の終端へのポインタを返す (protected)。
    pbump 出力部分列の現在位置を指定した量だけ進める (protected)。
    setp 出力部分列の各ポインタを設定する (protected)。

    参照