class template
std::basic_syncbuf
namespace std {
template<class charT, class traits, class Allocator>
class basic_syncbuf : public basic_streambuf<charT, traits> { ... };
using syncbuf = basic_syncbuf<char>;
using wsyncbuf = basic_syncbuf<wchar_t>;
}
概要
クラステンプレートbasic_syncbuf
は、書き込まれた文字データをオブジェクトのアロケータを使って割り当てられた内部バッファに格納する。
格納された文字データは、emit()
が呼び出されたとき、またはbasic_syncbuf
オブジェクトが破棄されたときに、ラップされたストリームバッファオブジェクトに転送される。
このような転送は、同じラップストリームバッファオブジェクトを持つ他のbasic_syncbuf
オブジェクトによる転送に関してアトミックである。
エイリアス |
説明 |
対応バージョン |
syncbuf |
basic_syncbuf<char> |
C++20 |
wsyncbuf |
basic_syncbuf<wchar_t> |
C++20 |
メンバ
基底クラスである basic_streambuf
も参照のこと。
メンバ関数
構築・破棄
割り当てと交換
名前 |
説明 |
対応バージョン |
operator= |
代入演算子 |
C++20 |
swap |
他のbasic_syncbuf オブジェクトと状態を交換する |
C++20 |
その他パブリックメンバ関数
プロテクテッドなオーバーライドされた仮想メンバ関数
名前 |
説明 |
対応バージョン |
sync |
フラッシュが保留されていることを記録し、 現在の同期時排出ポリシーに応じてemit() を呼び出す(デフォルトでは呼び出さない) |
C++20 |
メンバ型
名前 |
説明 |
対応バージョン |
char_type |
charT |
C++20 |
traits_type |
Traits Traits::char_type がCharT でない場合、プログラムは不適格である |
C++20 |
int_type |
Traits::int_type |
C++20 |
pos_type |
Traits::pos_type |
C++20 |
off_type |
Traits::off_type |
C++20 |
allocator_type |
Allocator |
C++20 |
streambuf_type |
std::basic_streambuf<CharT, Traits> |
C++20 |
非メンバ関数
名前 |
説明 |
対応バージョン |
swap |
2つのbasic_syncbuf オブジェクトを入れ替える |
C++20 |
例
#include <iostream>
#include <syncstream>
#include <thread>
void thread1()
{
{
// std::basic_syncbuf は通常、直接でなく、
// 対応するストリーム std::osyncstream を通してのみアクセスされる
std::osyncstream bout{std::cout};
bout << "Hello, ";
bout << "World!";
bout << std::endl; // フラッシュがノートされる
bout << "and more!\n";
} // 文字が転送され、cout はフラッシュする
}
void thread2()
{
// 同じバッファに行われる出力は、異なる std::basic_osyncstream(std::basic_syncbuf) の
// インスタンスからでも、アトミックに出力されることが保証される
std::osyncstream(std::cout) << "Goodbye, " << "Planet!" << '\n';
}
int main()
{
std::thread th1(thread1);
std::thread th2(thread2);
th1.join();
th2.join();
}
出力例
thread1 の処理が先行した場合。ただし、各出力は連続したシーケンスとなるように、アトミックに行われることが保証される。
Hello, World!
and more!
Goodbye, Planet!
バージョン
言語
処理系
関連項目
参照