std::chrono::local_info(C++20)

namespace std::chrono {
  struct local_info {
    static constexpr int unique = 0;
    static constexpr int nonexistent = 1;
    static constexpr int ambiguous = 2;
    int result;
    sys_info first;
    sys_info second;
  };
}

概要

local_infoは、ローカル時間に関するタイムゾーン情報の低レベルインタフェースを提供するクラスである。

このクラスの情報は、local_timeからsys_timeに変換する際に使用される。

• local_timeからsys_timeへの変換が一意に決まる場合、result == uniqueとなり、firstが正しいsys_infoで埋められ、secondはゼロ初期化される
  • 存在しないローカル時間が生じる場合、result == nonexistentとなり、firstは直前のローカル時間の終端値の値で埋められ、secondは直後のローカル時間の開始値で埋められる
  • あいまいなローカル時間が生じる場合、result == ambiguousとなり、firstは直後のローカル時間の終端値で埋められ、secondは直前のローカル時間の開始値で埋められる

備考

• nonexistentおよびambiguousは、サマータイムを採用しているタイムゾーンで生じる可能性がある
  • 存在しないローカル時間の例として、タイムゾーン"America/New_York"のローカル時刻 2016-03-13 02:30:00 は以下の隙間に位置するため存在しえない：
    • 2016-03-13 02:00:00 EST
    • 2016-03-13 03:00:00 EDT
    • 2016-03-13 07:00:00 UTC
  • あいまいなローカル時間の例として、タイムゾーン"America/New_York"のローカル時刻 2016-11-06 01:30:00 は、以下のいずれかとなり、一意に決まらない：
    • 2016-11-06 05:30:00 UTC
    • 2016-11-06 06:30:00 UTC

メンバ変数

非メンバ関数

文字列フォーマット

例

#include <iostream>
#include <chrono>

namespace chrono = std::chrono;

int main()
{
  auto now = chrono::system_clock::now();
  chrono::local_time local_now{now.time_since_epoch()};

  // 日本のタイムゾーン
  const chrono::time_zone* tz = chrono::locate_zone("Asia/Tokyo");
  chrono::local_info li = tz->get_info(local_now);

  std::cout << li.result << std::endl;

  chrono::sys_info si = li.first;
  std::cout << chrono::floor<chrono::hours>(si.offset).count() << " hours" << std::endl; // UTCタイムゾーンからの差分時間
  std::cout << si.abbrev << std::endl; // タイムゾーンの略称
}

出力

0
9 hours
JST

バージョン

言語

• C++20

処理系

• Clang: (9.0時点で実装なし)
• GCC: (9.2時点で実装なし)
• Visual C++: (2019 Update 3時点で実装なし)

参照

• C++標準ライブラリのタイムゾーン(Time Zone) - yohhoyの日記