namespace std {
template <class RealType = double>
class gamma_distribution;
}
概要
gamma_distribution
は、連続確率分布の一種であるガンマ分布を表すクラスである。
以下の確率密度関数に基いて、浮動小数点数の値x
を生成する:
$$ p(x \mid \alpha, \beta) = \frac{e^{-x/\beta}}{\beta^{\alpha} \cdot \Gamma(\alpha) } \cdot x^{\alpha - 1} $$
この数式においてα(alpha)は形状母数(shape parameter)、β(beta)は尺度母数(scale parameter)を表す。
形状母数に正の整数を与えれば、アーラン分布(Erlang distribution)としても使用できる。
ガンマ分布は、以下のような用途に使用できる:
- 均一に忙しいコールセンターに10回電話をかけ、つながるまでの時間の統計を求める
- 放射性物質の大きな塊があるとき、1000回原子核崩壊するまでにかかる時間を観察する
テンプレートパラメータは、以下を意味する:
RealType
: 生成する実数の型。
メンバ関数
構築・リセット
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
(constructor) |
コンストラクタ | C++11 |
~gamma_distribution() = default; |
デストラクタ | C++11 |
reset |
状態をリセットする | C++11 |
生成
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
operator() |
乱数を生成する | C++11 |
プロパティ
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
alpha |
形状母数を取得する | C++11 |
beta |
尺度母数を取得する | C++11 |
param |
分布のパラメータを取得/設定する | C++11 |
min |
生成し得る値の下限を取得する | C++11 |
max |
生成し得る値の上限を取得する | C++11 |
メンバ型
型 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
result_type |
乱数生成結果の実数型 RealType 。 |
C++11 |
param_type |
分布パラメータの型。未規定。 | C++11 |
非メンバ関数
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
operator== |
等値比較 | C++11 |
operator!= |
非等値比較 | C++11 |
operator<< |
ストリームへの出力 | C++11 |
operator>> |
ストリームからの入力 | C++11 |
例
#include <random>
#include <fstream>
int main()
{
std::random_device seed_gen;
std::default_random_engine engine(seed_gen());
// 形状母数1.0、尺度母数1.0で分布させる
std::gamma_distribution<> dist(1.0, 1.0);
std::ofstream file("gamma_distribution.tsv");
for (std::size_t n = 0; n < 1000; ++n) {
// ガンマ分布で乱数を生成する
double result = dist(engine);
file << result << "\t\n";
}
}
出力
このプログラムによってある時に得られた結果(gamma_distribution.tsv)を図示する。
バージョン
言語
- C++11
処理系
- Clang:
- GCC: 4.7.2 ✅
- ICC:
- Visual C++: