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function
<cmath>

std::hypot(C++11)

namespace std {
  float hypot(float x, float y);

  double hypot(double x, double y);

  long double hypot(long double x, long double y);

  Promoted hypot(Arithmetic1 x, Arithmetic2 y);
}

概要

算術型の平方和の平方根を求める。この際、余計なオーバーフロー、アンダーフローを起こさない。hypot は hypotenuse((直角三角形の)斜辺)の略。

この関数は、「三平方の定理」によって、直角三角形の斜辺の長さを求めるために使用できる。直角三角形において、直角に隣接する辺aとb、および斜辺cがあったとき、辺の長さは、三平方の定理によって以下の関係が成り立つ:

a2 + b2 = c2

この関数の効果である以下の式は、三平方の定理の式変形である:

$$ f(x, y) = \sqrt{x^2 + y^2} $$

a2 + b2c2と等しくなるため、2乗の和に対する平方根を求めることで、斜辺cの長さが求まる。つまり、この関数に引数として、直角に隣接する辺aとbの長さを与えることで、戻り値として斜辺cの長さが返される。

戻り値

引数 x と引数 y の平方和の平方根を返す。

オーバーフローエラー、アンダーフローエラーが発生する可能性がある。

備考

  • $$ f(x, y) = \sqrt{x^2 + y^2} $$
  • 概要の「余計なオーバーフロー、アンダーフローを起こさない」とは、たとえ x2 が戻り値型の範囲を超えていても、結果が戻り値型の範囲に収まるのであればオーバーフローしないで正しい結果を返す、と言う事である。
  • オーバーフローエラー、アンダーフローエラーが発生した場合の挙動については、<cmath> を参照。
  • 処理系が IEC 60559 に準拠している場合(std::numeric_limits<T>::is_iec559() != false)、以下の規定が追加される。
    • hypot(x, y)hypot(y, x)hypot(x, -y) は同一である。
    • hypot(x, ±0) は、fabs(x) と同一である。
    • hypot(±∞, y) の戻り値は、たとえ y が NaN の場合でも +∞ となる。

基本的な使い方

#include <cmath>
#include <limits>
#include <iostream>

int main() {
  std::cout << std::fixed;
  std::cout << "hypot(0.0, 0.0)  = " << std::hypot(0.0, 0.0) << std::endl;
  std::cout << "hypot(1.0, 1.0)  = " << std::hypot(1.0, 1.0) << std::endl;
  std::cout << "hypot(3.0, 4.0)  = " << std::hypot(3.0, 4.0) << std::endl;
  std::cout << "hypot(+∞, NaN)   = " << std::hypot(std::numeric_limits<double>::infinity(),
                                                   std::numeric_limits<double>::quiet_NaN())
            << std::endl;
}

出力

hypot(0.0, 0.0)  = 0.000000
hypot(1.0, 1.0)  = 1.414214
hypot(3.0, 4.0)  = 5.000000
hypot(+∞, NaN)   = inf

ベクトルの長さを求める

#include <iostream>
#include <cmath>

// 2次元ベクトル
struct Vector2 {
  double x = 0;
  double y = 0;

  // ベクトルの長さ。
  // ノルム (norm) とも呼ばれる
  double length() const
  {
    return std::hypot(x, y);
  }
};

int main()
{
  std::cout << Vector2{3.0, 3.0}.length() << std::endl;
}

出力

4.24264

バージョン

言語

  • C++11

処理系

  • Clang: 2.9, 3.1
  • GCC, C++11 mode: 4.3.4, 4.4.5, 4.5.2, 4.6.1, 4.7.0
  • Visual C++: 11.0, 12.0, 14.0, 14.1
    • 7.0, 7.1, 8.0, 9.0, 10.0およびそれ以降では、<math.h>でグローバル名前空間に以下が定義されている。
      • 仮引数・戻り値がfloat型の_hypotf関数が定義されている。
      • 仮引数・戻り値がdouble型のhypot関数と_hypot関数が定義されている。
      • 仮引数・戻り値がlong double型の_hypotlマクロが定義されている。
    • 10.0, 11.0およびそれ以降では、上記に加え<math.h>でグローバル名前空間に以下が定義されている。
      • 仮引数・戻り値がfloat型のhypotf関数が定義されている。
      • 仮引数・戻り値がlong double型のhypotlマクロが定義されている。
    • 12.0以降、_hypotlhypotlは関数として定義されている。

備考

特定の環境で constexpr 指定されている場合がある。(独自拡張)

  • GCC 4.6.1 以上

実装例

fabssqrt があれば、以下のように変換しても求められる。

$$ \sqrt{x^2 + y^2} = \left| u \right| \sqrt{1 + \left( \frac{v}{u} \right)^2} \quad \mathrm{for~all} \; (x, y), \; u = \max(|x|, |y|), \; v = \min(|x|, |y|) $$